「環境と日常生活」は「環境」「食事」「睡眠」「遊び」の4つの観点から園内の環境を振り返る領域です。
CRAYON BOOKの「環境と日常生活」は、「子どもの概念形成に影響を与える、成長環境の設計に関すること」と定義されています。つまり、子どもの概念形成の育ちを子ども自身の心身の状態や周りの環境によって制限しないようにするための視点を整理したものです。CRAYONを活用することで自園の環境の特徴が分かり、現場の“広々とした遊び場の提供が難しい”“お昼寝しないことする子がいる場合にどう環境設定をしたらよいのか分からない”といった困り感を、CRAYONをヒントにしながら、環境設定の工夫によって解消していくことが期待できる領域です。
人間は環境の影響を受けて身体的に発達したり機能を獲得したり、また環境によって形成される概念の仕方も変わってくると言われています。環境は文化や習慣などによって作られているため、文化の理解という考えにも基づいています。適切な環境の設定は、子どもの興味・関心を高め、学び(=遊び)を保証することにつながるでしょう。
食事は、満腹感と満足感を得ることで体と心を満たし、子どもが日常生活や遊びなどの日々の活動に取り組むための十分なエネルギーを蓄えるものです。それだけではなく、食を通した人と人とのコミュニケーションや、五感で食を感じることによって「食事」を楽しみながら様々な概念を形成していくことができます。
CRAYONにおける「睡眠」とは、子どもの成⾧・発達にとって重要な生理機能が脳によって脳のために営まれる状態を示し、睡眠、寝室環境、寝具の3要素から成り立ちます。乳幼児期は大人と違い、必要な睡眠時間が長く、また月齢や年齢によって必要とされる時間や回数などが変わってきます。家庭との連携を取りながら、十分な睡眠時間を取ることで、日中の活動に集中して取り組むことができるようになります。
乳幼児期の子どもにとって遊びは重要な学習であり、遊びの環境は子ども主体で子どもの自主性を尊重することが大切です。しかし、大人が適切に関わらなければ「放任」となってしまうため、大人主導の環境設定と関わりが必要になります。CRAYONの項目を確認しながら遊びの環境を設定することで、子どもが興味・関心をもっていることに気づくきっかけとなり、遊びの幅を広げることができるようになります。