CRAYON BOOKは、2017年の改定で乳幼児教育の指針が共通化された『保育所保育指針』・『幼保連携型認定こども園教育・保育要領』・『幼稚園教育要領』ベースにして、乳幼児教育に関わる人のためのツールとして開発されました。
「今」の乳幼児教育の環境と大人の関わり方、そして子どもの育ちの状況の観点から、5領域の最大206項目(※)からなるチェックシートを使って確認することで、乳幼児教育の専門的な視点で「今」の状況を的確に把握することができるようなります。
※対象年齢によって、項目数が異なります。0歳用47項目、1-2歳用112項目、3-5歳用206項目。
今までのツールに無かった特徴として、CRAYON BOOKの5つの領域は関連性を持つように開発されています。さらに、環境や大人の関わりが子どもの育ちにどのように影響をしているのかということが、まるで一つのストーリーになっています。評価結果を見る際にも、一つひとつの項目だけでなく領域の関係性を分析することで、一人ひとりのストーリーとして子どもたちの育ちを追うことができます。
子どもの育ちを“包括的に把握する”ことができるのもCRAYON BOOKの特徴です。CRAYON BOOKでは、子ども自身だけでなくその子の周囲の環境や大人の関わり方までを観る視点(=観点)としています。観点を分けることで一つひとつ細かく振り返ってチェックすることができ、さらに子どもの育ちを通して、大人も子どもへの関わり方を知ることができるのです。すると、今の子どもにどんな環境をつくったら良いか? どんな関わりが合っているか?を考えるヒントになりますし、子どもの育ちの見通しを立ててこれからどんな環境や関わりが必要かという予測や計画ができます。CRAYON BOOKを活用することで、育みたい子どもの育ちに対する環境や大人の関わりとの関係を考えることができるようになるため、知らず知らずのうちに「ねらい」や「意図」を持った教育的関わりが増えるでしょう。
CRAYON BOOKは、CRAYON BOOKを使っている人同士はもちろん、使っていない人との情報共有も円滑にします。CRAYON BOOKは、観察するための視点を定めるものなので、使った人はみんなが同じ目線で話し合うことができるようになります。また、子どもの育ちに関係して「何が(=環境や関わり方)」「どこに(=子どもの育ち)」「どう」影響を与えているのかについて言語化することを助け、考えや経験則を具体的に“見える化”します。子どもに関わるとき、「これまでも同じようにしていたから、今回もこうする」や「似たような経験があるけど、その時はこうして上手くいった」から、「今の環境や子どもの様子がこうだから、こうすることで子どものこの部分にアプローチできるだろう」とより明確な根拠を持つことができます。すると、普段からCRAYON BOOKを使っていない人にも、伝えやすくかつ納得しやすい情報共有の関係が生まれるでしょう。CRAYON BOOKは、個人の経験験や専門性、観る視点の“差”を埋め、関わる大人同士の共通認識をつくります。
CRAYON BOOKの対象年齢は、0歳児から卒園(小学校入学前)までです。子どもの身体的な成長発達に合わせて、「0歳用」「1-2歳用」「3-5歳用」と3つに分かれており、それぞれ領域や項目が少しづつ変化していきます。そのため、評価を行う際には子どもの実際の年齢に合わせて選択します。